2020-03-22から1日間の記事一覧

マーラー 第五番 名盤 (メンゲルベルク・アムステルダムコンセルトヘボー)

マーラー5番のアダージェット。更に時代を遡って、1926年(昭和2年!)録音のメンゲルベルク=アムステルダム・コンセルトヘボーのSP録音だと、わずか7分5秒。 ポルタメントてんこ盛りで、今こういう風に弾くとすぐに指揮者から「ポルタメントやめてく…

マーラー 第五番 名盤 (ワルター・ウィーンフィル)

1938年(昭和13年)録音のBruno Walterとウィーンフィルのマーラーのアダージェット。 水色に透き通った空のような淡い音色なのは、戦前のウィーンフィル特有のものなのか、古い録音のせいか分からないが、近年では10~11分はかかるのが当たり前のこの楽章を…

2017年バイロイト パルジファル 感想

バイロイト2016年からのパルジファルの演出はモスクがでてきたりと過激だったらしいが、2017年の音だけをNHK-FM放送録音で聴く。各歌手とも好調の上、ヘンヒェンの指揮がこの複雑なスコアを手堅くまとめていて、実はかなり名演ではないかと思う。 もとも…

2016年バイロイト パルジファル 感想

2016年バイロイトのパルジファルはここまでやるかという感想をもたざるをえないものだった。 この演出でのあらすじは、金髪美青年のパルジファルが、第二幕ではUSアーミールックで現れ、クリングゾールの悪の城はイスラム風モザイクのモスク。このプロ…

アメリカの総合誌newyorker magazine はなかなか侮れないとの評価(楽劇ワルキューレ)

トランプ大統領の治世下で揺れる最近の報道ばかり見ていると、アメリカはみんなMAGAと叫ぶばかりの愚民民主主義に墜してしまったように思うが、少し前だが一昨年の秋に底力を感じる記事がnewyorkerにあった。 ワルキューレの第2幕の冒頭の場面は、舞台上ほ…

映画ボヘミアン・ラプソディ―のあらすじへの荒唐無稽な感想(パルジファルと似てない?)

DVDになった「ボヘミアン・ラブソディ」をようやく観た。クィーンの曲はあまり聴いたことはなかったが、メロディアスで和声も美しい歌につぐ歌を楽しむとともに、俗な言い方だが天命を悟った後の主人公の生き方に普通に感動した。あわせて、しばらく前に…

アバドの2つのベートーヴェン交響曲全集をどう評価するか。

最近、日本のアマゾン・プライムで、アバドが80年代後半にウィーンフィルと録音したベートーヴェンの交響曲全集が無料で聴けるようになったが、これが面白い。アマゾン・プライムでは、これまでも、2000年前後にベルリンフィルと入れた全集も無料で聴…

朝比奈隆の名盤 ブラームス交響曲全集

朝比奈隆というとブルックナー、それからベートーヴェンという感じで、同じ曲について新旧何種類も録音が出ていると思う。他方で、ブラームスは間違いなく重要なレパートリーだったはずだが、その録音については意外に印象が薄い。 最近SACDとして出た朝…

上岡敏之のマーラー復活 新日本フィル演奏会(2019年3月31日、横浜みなとみらいホール)の感想

(2019年3月のコンサート感想) 横浜みなとみらいホールでの上岡敏之指揮・新日本フィルのマーラー「復活」に行った。ほぼ満員でホッ。 予想通りというか、一筋縄ではいかない上岡流。とくに第二楽章の超快速テンポや、第三楽章その他での強烈なポルタ…

ブニアティシビリのシューベルト

(2017年11月のコンサート感想) ブニアティシビリと上岡敏之さんと新日本フィルとの演奏会(2017年11月11日)。メインはチャイコフスキーのピアノ協奏曲で、これについては別途書くが、アンコールで弾いたシューベルトのセレナード(ピアノ版)がとても印象…