アバド

アバド・ベルリンフィルのベートーヴェン交響曲第三番(1995年ライブ)

アバドの新旧のベートーヴェン交響曲全集(80年代半ばのウィーンフィルとのものと2000年前後のベルリンフィルとのもの)は、同じ指揮者のものとは思えないほど違いがあるが、いつ頃、演奏スタイルの変化が起きたのかに興味があった。 この1995年のエロイカは…

ペトレンコ・ベルリンフィル  ベートーヴェン 交響曲第9番

ベルリンフィルのデジタルコンサートホールが無料開放されている機会に、ペトレンコの公演をいくつか見る。 就任演奏会のメイン第九。 一言でいえば速くて引き締まった演奏。ベルリンフィルでいえば、アバドの全集の第九と基本的な骨格は非常に似ていると思…

アバドの2つのベートーヴェン交響曲全集をどう評価するか。

最近、日本のアマゾン・プライムで、アバドが80年代後半にウィーンフィルと録音したベートーヴェンの交響曲全集が無料で聴けるようになったが、これが面白い。アマゾン・プライムでは、これまでも、2000年前後にベルリンフィルと入れた全集も無料で聴…

バレンボイムのベートーヴェン演奏への評価 2017 年秋のFinancial Times紙での論争

いささか旧聞に属するが、ベートーヴェン・イヤーで、バレンボイムがピアノ・ソナタの演奏会を各地でツアーしていることもあるので。2017年の秋のバレンボイムの75歳記念演奏会への評価をめぐって、英経済紙Financial Timesでちょっとした論争があった。 き…

ティーレマン・ウィーンフィル ベートーヴェン 第5交響曲

もともとモーツァルトやベートーヴェンのピリオド演奏が嫌いで、モダン楽器のオーケストラでも、編成を小さくしてやっている昨今の風潮も気に入らないなか、ティーレマンはウィーンフィルでのベートーヴェンでも大編成でやっているので、一度聴いてみようと…

ハンス・スワロフスキー  N響 ザ・レジェンド

(2018年3月の書き込み(備忘)> 土曜夜のFM放送番組、N響ザレジェンドで、70年代初めのハンス・スワロフスキーの公演記録を聴いた。スワロフスキーはアバドやメータを育てたウィーンの名教師としてのみ知るだけで、演奏を聴いたことはなかったが、い…

持続性と非日常性と

職業を問わず、プロたる要件は、まずは「持続的に結果を出せること、そうしたフォームを作り上げていること」だと思う。 たとえば電車やバスの運転といった仕事であれば、毎日間違いなくそれをそつなくこなすことが何より大事だろう。 その点、芸術やショー…

若き日のアバドのマーラー

you tubeをあさっていたら、思わぬ拾い物。おそらく80年前後と思われるアバドのマーラー「復活」のライブ! 演奏全体の感じは70年代のシカゴ響とのスタジオ録音に似ていますが、ライブならではの緊迫感を伴って、触れれば手が切れそうな音楽を展開。アバドは…

アバドの音楽作り

アバド自身が音楽作りについて語っているのは割と珍しいのではないかと思うが、これを読んでわかるのは、彼が、自分の解釈やアプローチを楽器の演奏家に押し付けるのではなく、それぞれの演奏家の自主性を引き出して、それの相互作用のぶつかり合いのような…

アバド・シカゴ響のマーラー「復活」

クラウディオ・アバドは、20世紀の最後の四半世紀から現在までで最も優れた指揮者であることにあまり異論もないと思うし、モーツアルト、ベートーベンからブラームス、マーラー、新ウィーン学派に至るまでのドイツ語圏の音楽、ロッシーニやヴェルディのよ…