ベルリン・フィル
昨晩ノット・東響のマーラー・一番の映像を少し観たせいで、聴きたくなってしまったものだが、やはり、爽やかだが若く薄味の本年モノの白ワインのような「一番」ではなく、経年変化でこってり重く渋みにも欠けぬ赤ワインのような「第九」を選ぶ。マーラーの…
カラヤンのアシスタントをしていた高関健さんへのインタビューで例のバーンスタインVSベルリンフィル演奏会について言及があった。 「あの歴史的なバーンスタインとベルリン・フィルとのマーラーの第9番も練習から全部見ました。あの時はすさまじかった。…
ここ1年くらいの間に、バーンスタンのマーラー第九についていろいろと書くことがあったので、順番に投稿したい。 仕事でもオーラルヒストリーの重要性を感じることが多いが、バーンスタインが生涯に一度だけベルリンフィルの指揮台に立った「伝説の公演」を…
アバドの新旧のベートーヴェン交響曲全集(80年代半ばのウィーンフィルとのものと2000年前後のベルリンフィルとのもの)は、同じ指揮者のものとは思えないほど違いがあるが、いつ頃、演奏スタイルの変化が起きたのかに興味があった。 この1995年のエロイカは…
ベルリンフィルのデジタルコンサートホールが無料開放されている機会に、ペトレンコの公演をいくつか見る。 就任演奏会のメイン第九。 一言でいえば速くて引き締まった演奏。ベルリンフィルでいえば、アバドの全集の第九と基本的な骨格は非常に似ていると思…
ベルリンフィルのデジタルコンサートホールが無料開放されている機会に、ペトレンコの公演をいくつか見る。 就任前の「悲愴」メインのプログラムの前半でやっていた「ハフナー」が非常にいい。しばらく前に、チェリビダッケが冒頭の主題の「レー(レ)レー、…
最近、日本のアマゾン・プライムで、アバドが80年代後半にウィーンフィルと録音したベートーヴェンの交響曲全集が無料で聴けるようになったが、これが面白い。アマゾン・プライムでは、これまでも、2000年前後にベルリンフィルと入れた全集も無料で聴…
ベルリンフィルのデジタルコンサートホールで、今、無料で聴けるペトレンコのベートーヴェン第七番。 このシャリシャリいう、しゃぶしゃぶにポン酢でもかけたような薄味の響きは、アバド 治世の後半以来のhistorically informed performance路線の延長線で、…
若い頃の小澤征爾がベルリンフィルとやったベートーヴェン7番(ライブ)。フィナーレ(29:30~)が途中から驚くほど速くなる(34:17あたり以降)。最後は、クライバーやフルトヴェングラーのライブよりも速く、凄い。本人はこの演奏の出来に不満だったというが…
レニー、ベルリンフィルの一期一会の演奏会でのマーラー9番。細かなミスも多いし、これが唯一絶対の解釈とは思わないが、うるさ型のクラリネット首席のライスターをして「我々は最後はバーンスタインの前にひれ伏した」と言わせしめた奇跡的な演奏記録が、4…
職業を問わず、プロたる要件は、まずは「持続的に結果を出せること、そうしたフォームを作り上げていること」だと思う。 たとえば電車やバスの運転といった仕事であれば、毎日間違いなくそれをそつなくこなすことが何より大事だろう。 その点、芸術やショー…
カラヤンのベートーヴェン、このYoutube予告で久しぶりに聴いたが、鋼鉄の巨大戦車が迫ってくるみたいな本当に凄い音。分厚い中低音に支えられたピラミッド型のトーンバランス、黒檀のように磨き抜かれた音の質、それに弦楽器から松脂の粉が飛んできそうな迫…
偶然発見した、見ず知らずの方が20年近く前に書かれたブログの記事に驚愕。 他の記事はまだ一切未読だが、カール・ベームとベルリンフィルのモーツァルトの交響曲の録音について、自分自身、この36年間ずっと感じてきたことが、恐ろしく平易で、過不足のな…
https://www.berliner-philharmoniker.de/konzerte/kalender/details/23469/ BSで録画していた昨年のベルリン・フィルの大晦日コンサートを見た。カバレフスキ―、ウォールトンの組曲、ドボルザークのスラブ舞曲、ブラームスのハンガリアンダンス等、肩は凝…
久しぶりにカラヤン、ベルリンフィルのベートーヴェン第九を聴いた。1984年録音で、この時カラヤンは76歳。この曲の正式な録音としては最後のものになる。頂点にあるもののみの持つ強さと輝きに満ちた77年の録音に比べると、84年の録音は随所にかすかな衰え…