(今年6月2日の演奏会記録)
三舩優子さんの三十周年記念コンサートに行ってきました。テーマは巡礼。リストの巡礼の年の第一年スイス、第二年イタリアの全曲という超豪華なプログラム。
もちろんこの作曲家ならではの超絶技巧が怒涛の連続ですが、全部聴き通すと、リストという人の音楽は歌と和声が柱のように改めて思いました。
途中はダンテの煉獄めぐりのような不協和音に満ちていても、第一年も第二年も、最後の最後は悟りと救いの協和音。特に、第一年の最後の曲はあまり聴いたことがなかったですが、トリスタンとイゾルテの第三幕の終わりのようでした。
ダンテやミケランジェロが出てきて、若い頃に旅行でまわったイタリアの街やスイスの山々にタイムスリップするかのような時間でした。
三舩さんの今後のますますのご活躍を楽しみにしています。