ベルリンフィルのデジタルコンサートホールで、今、無料で聴けるペトレンコのベートーヴェン第七番。
このシャリシャリいう、しゃぶしゃぶにポン酢でもかけたような薄味の響きは、アバド 治世の後半以来のhistorically informed performance路線の延長線で、もはやベルリンフィルだけでなく、世界的にドミナントな演奏スタイル。あの濃い蜜のようなカラヤン時代の音は何処にと嘆いてみても仕方がない。
そういう感じで、今時流行りの演奏かなと聴いていたら、第一楽章からアタッカで始まった第二楽章は速いテンポながら意外に強いパトスを感じさせる演奏。フルトヴェングラー の亡霊?スケルツォの最後、天馬空を行くようなテンポでそのままなだれ込むのもフルトヴェングラー 流。フィナーレはそのまま速いテンポで一気に駆け抜ける快演。
ペトレンコ、まだまだ未知な点が多い指揮者だが、一見モダンな体裁の中に時々デモーニッシュな面が垣間見れ、興味ぶかい。