アメリカの総合誌newyorker magazine はなかなか侮れないとの評価(楽劇ワルキューレ)

トランプ大統領の治世下で揺れる最近の報道ばかり見ていると、アメリカはみんなMAGAと叫ぶばかりの愚民民主主義に墜してしまったように思うが、少し前だが一昨年の秋に底力を感じる記事がnewyorkerにあった。

 

ワルキューレの第2幕の冒頭の場面は、舞台上ほとんど動きがなく、ヴォータンが妻フリッカから延々と責められ続けるシーンが30分くらい続く、この長い作品の中でも、あまりジューシーとは言えない部分だが、その終わりに僅か10小節・30秒間のキラリと光る宝石のような変ホ長調のパッセージが含まれていると指摘し、そのネタでああだこうだと延々と引っ張る、なかなかマニアックな記事。

こういう記事が、専門誌ではない総合文芸誌に載っているあたり、トランプ現象だけを見ていると見誤る、アメリカの底力と余裕を感じるところ。