アバド・ベルリンフィルのベートーヴェン交響曲第三番(1995年ライブ)

アバドの新旧のベートーヴェン交響曲全集(80年代半ばのウィーンフィルとのものと2000年前後のベルリンフィルとのもの)は、同じ指揮者のものとは思えないほど違いがあるが、いつ頃、演奏スタイルの変化が起きたのかに興味があった。

 

この1995年のエロイカは明らかに前者寄り。弦楽セクションを中心にベルリンフィルのメンバーも若い顔が増えて着実に世代交替が進んでいる感じがするが、サウンドは、カラヤン時代以来の重厚・剛健な響き。たとえば第2楽章の25:37以降や26:01以降のコントラバスも含めた響き。これぞベートーヴェン、ドイツ音楽という気がする。

https://www.youtube.com/watch?v=oQFUh9lVQ0A

 

わずか数年後の2001年のベルリンフィルとの全集(スタジオ録音もあるが、映像はイタリアでのライブ。演奏内容はほぼ同じ)では、かなり響きが薄くなっている。

https://www.youtube.com/watch?v=VFUw18Gq96U

 

目視で確認する限り、95年のはチェロ8、コントラバス6に対して、2001年のはチェロ6、コントラバス4と、編成に違いがあるが、それ以上の響きの違いを感じる。