2021-02-07 ジュリーニ・ウィーンフィル ブルックナー交響曲第8番(ライブ) ウィーンフィル ジュリーニ ブルックナー 交響曲第八番 ジュリーニとウィーンフィルのブルックナー八番は、スタジオ録音されたCDが歴史的名盤として有名だが、その少し前のライブ録音はさらに凄い。 特にフィナーレの大詰め、Youtubeでいうと1:30:15過ぎ。「ラ、ファ―」というファンファーレをフォルテッシモで3回繰り返す部分だが、あのウィーンフィルが腹の底から絶叫しているような、とてつもない音を出している。 しばらく前に発見してから何度か聴いているが、そのたびに、ツァラトストラが預言者の嘆きを「否!否!三たび否!」と打ち消し、生を肯定する場面を思い出す。 同じ生の肯定でも、揺るぎないカトリックのブルックナーと、ニヒリズムを経てきたニーチェとでは全く次元が違うが、闇の底から現れた巨大な光のような力を持つ「音」「言葉」の数々。19世紀末のドイツ語圏文化の達した異常なエネルギーの一例。 ジュリーニの全盛期の指揮姿は、長い腕の先から炎が出ているようだったとどこかで聞いた。この部分ではそれを彷彿とさせる。自分が90年代半ばに彼を生で聴いたときは、そうしたエネルギーは残念ながら全く感じることはなかったが。 www.youtube.com