バーンスタイン・ウィーンフィル ブルックナー第九

最晩年のバーンスタインの様子についての興味深いオーラルヒストリーを発見。このDVDのユーザーレビューの上から4つ目、宇野広報氏(このペンネーム!)のもの。

この方がブルックナーのビデオ収録に聴衆として立ち会った前後の出来事が記されている。

商品となったビデオでは分からないが、この時点で巨匠の健康は相当衰えていたこと、そのことが人前では常に格好良いスターでいたかった本人のプライドを酷く傷つけていたことが分かる。

(”ちょうど舞台近くの席にいた私と振り返ったバーンスタインと目が合い、彼は「笑っているような事態ではない」といわんばかりの、背中も凍りつくような厳しい目でにらみつけたのを未だに忘れられません。”)

その上で凄いと思うのは、残された録音のCDを音だけで聴く限りは、衰えは何ら感じられない、凄いエネルギーのブルックナーであるということ。真のプロの仕事というか。

それもこの年の7月にはいよいよ無理となって、東京での同じブルックナーの九番の演奏会はキャンセルとなり、チケットを入手していた自分にとっても永遠に幻に消えてしまうことになる。いつもいつも同じ繰り言で申し訳ないが。

 

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