大地讃頌と佐藤真

大地讃頌のオーケストラ版。やはり、本来は「カンタータ 土の歌」の第七楽章ということなので、オケ伴奏版の方がやっぱりいい。曲の終結部分で「母なる大地をああ」「讃えよ大地をああ」と繰り返すところの間で、ホルンが四本くらい揃ってシーラーソーファーと降りてくるところとか、本当に格好いい。ホルンが何本が揃ってゆっくりとしたメロディーを奏でるときは、いつもアルプスとかフィヨルドとか大自然を彷彿とさせる。
https://www.youtube.com/watch?v=mFcaPJG5P-A

こんなピュアな曲を書くので、作曲者の佐藤真は、画家でいうと熊谷守一みたいな素朴な(素朴そうな)人物を長いこと想像していたが、数年前に読んだ、宇野功芳氏との対談では、モーツァルトだがマーラーだかの作曲技法について専門的で鋭い指摘を素人にも分かるような言葉で色々とされていて、やはりプロの作曲家はすごいなと思ったことがありました。まあ、自分の独断と直感だけで勝負し続ける宇野先生も「プロ」の評論家としてすごいなとは思いますが。