高い城の男 ハヤカワ文庫  2017.12.3

「第二次大戦でもしも枢軸側が勝利していたら」という設定のSF。かつて随分話題になったものらしいので期待したが、微妙な読後感。この本が出た1963年というと、そろそろ日・西独とも米国にとって小うるさい存在にはなりつつあっただろうが、冷戦もまだ厳しく、「ドイツや日本の経済力が米国を凌ぐのでは」という危機感はなかったなかで、どういう事情でこういう本が書かれて、売れたのか、分からないところです(この種のSFに詳しい人に聞けば分かりそうですが)。