トルストイ「復活」読了

トルストイの「復活」を読了。幾つかの本と併読とはいえ数か月を要す。

そう簡単な感想を受け付ける作品ではないが、現在、我が国でも徐々に広がりつつある貧富の差、階級社会の広がりの中で、どう生きるかということについて考えさせられる。

小説として一応の決着を付けるため、主人公としての解らしきものは述べられるが、それが万人向けの解というわけではないし、作者自身心底納得できていたかも分からない。その後、トルストイ自身、おそらくはその解を探しに、80歳を過ぎた老体で「家出」をし、客死したわけだから。

解よりも問いかけに意味があるのだと思う。