2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

マタチッチ・N響 ブルックナー交響曲第8番

マタチッチとN響のブルックナー8番の公演の録音(1984年)を聴いている。日本でのクラシック音楽演奏史上でも屈指の名演として名高い。細かいところはいろいろと荒っぽいが、何か、音楽の一番の本質のようなところを太い腕でグッとつかんで離さず、一気呵…

上岡敏之・新日本フィル・アンヌ=ケフェレック モーツァルト ピアノ協奏曲第27番

(2018年2月の書き込み(備忘)> 今週火曜日のNHKFMで、一昨年9月の上岡敏之さんの新日フィル音楽監督就任披露演奏会の録音が放送された。プログラムにはモーツァルトの27番の変ロ長調のピアノ協奏曲K595があった。 昔から、この曲の持つ…

三舩優子 ドビュッシー

(2018年3月の書き込み(備忘)> 昨晩は、三舩優子さんのオール・ドビュッシーのリサイタルへ。 白寿ホールのロビー・コンサートというのは、本当にこじんまりとした空間なので、ピアノ音楽を聴く上ではこの上ない環境です。ショパンやリストの時代の…

ポゴレリッチ 奈良での録画

<2018年3月の書き込み(備忘)> ポゴレリッチと言えば、いつも反抗期のティーネージャーのような不機嫌きわまる顔でCDジャケットに映っている青年というイメージがあったが、すっかり貫録のある中年になってしまった。こちらも歳を取ったので人のこと…

ハンス・スワロフスキー  N響 ザ・レジェンド

(2018年3月の書き込み(備忘)> 土曜夜のFM放送番組、N響ザレジェンドで、70年代初めのハンス・スワロフスキーの公演記録を聴いた。スワロフスキーはアバドやメータを育てたウィーンの名教師としてのみ知るだけで、演奏を聴いたことはなかったが、い…

リヒャルト・シュトラウス  チェロソナタ

リヒャルト・シュトラウスのチェロ・ソナタ。壮麗な交響詩やオペラとは違って、これもいい。 https://www.youtube.com/watch?v=L838Gfi8Hmw&feature=share&fbclid=IwAR3OHfkGgn1tv9VbSNUHAkVjt3D1KJHJv0Xdhmxh8CkRwrt1cAoz4mBm9kY

バーンスタイン・ベルリンフィル マーラー第九

レニー、ベルリンフィルの一期一会の演奏会でのマーラー9番。細かなミスも多いし、これが唯一絶対の解釈とは思わないが、うるさ型のクラリネット首席のライスターをして「我々は最後はバーンスタインの前にひれ伏した」と言わせしめた奇跡的な演奏記録が、4…

持続性と非日常性と

職業を問わず、プロたる要件は、まずは「持続的に結果を出せること、そうしたフォームを作り上げていること」だと思う。 たとえば電車やバスの運転といった仕事であれば、毎日間違いなくそれをそつなくこなすことが何より大事だろう。 その点、芸術やショー…

上岡敏之・新日本フィル ブルックナー第六番

(2018年4月の書き込み(備忘)> 昨晩は不意に上岡敏之指揮の新日フィルの演奏会へ。ピアニストにフランスの女流ケフェレックさんを迎えたモーツァルトの24番のコンチェルトとブルックナーの隠れた逸品「第六交響曲」と素晴らしいプログラム。 モー…

スヴェトラーノフ・チャイコフスキー悲愴

スヴェトラーノフの悲愴の三楽章。ソ連国立交響楽団の泥臭い、強烈なロシア臭たっぷりのブラスの音もいいが、この楽章がクライマックスに入るところで、「皆さんに任せたから、思いっきり好きなようにやってください」とでも言わんばかりに、手を下ろして、…

バーンスタインとランドール・トンプソン

この記事によれば、バーンスタインはカーティス音楽院でオーケストレーションをランドール・トンプソンに師事とあります。トンプソンは日本ではあまり知られていないように思いますが、不思議と心に染み渡るような合唱曲を書いている作曲家です。どちらかと…

マーラー・第五交響曲 NTTフィルハーモニー管弦楽団

(2018年6月の書き込み(備忘)> 今日は、家人の知り合いが出演するオケのコンサートへ。メインはマーラーの五番。 すっかり通俗名曲みたいになった感もあるが、改めて聴くと、実に苛烈で厳しい音楽だと思う。特に「嵐のように」との指定のある第二楽…

上岡敏之・ベートーヴェン 第九

第九を聴いてこんなにスリリングな思いをするのは本当に久しぶりのこと。特に四楽章。最初のオケのみのレシタティーボの異常な雄弁さ、有名な歓喜の歌のメロディーの四重唱での各歌手の弾けっぷり。クリスマスケーキや紅白歌合戦みたいな歳末の一風物詩にな…

上岡敏之・新日本フィル チャイフスキ―第5交響曲

(2018年7月の書き込み(備忘)> 嵐の中、行って来ました。やはり、相当変わった、上岡流チャイコ五番でした。 開演前にコンマスさんと上岡さんのプレトークがあって、上岡さんから「どの曲も必ず技術的に難しい部分があってそこをうまくやり過ごすと…

九州大学オケ・上原彩子さん

<2018年8月の書き込み(備忘)> 今日は親父と一緒に彼の母校の九州大学のオーケストラの東京公演へ。気鋭の指揮者鈴木優人氏に、チャイコフスキーのピアノ協奏曲のソロが上原彩子さんで、サントリーホールという学生オケとしては超豪華な舞台。 何よ…

バーンスタイン生誕100年ウィーク

<2018年8月のバーンスタインの生誕100年ウイークの書き込み(備忘)。> この人は、宇宙の天体がその最期に大爆発を起こして巨大な光を放つが如く、晩年の80年代後半に奇跡のような名演を繰り広げていた。 何度も書いたが、はるか極東でラジオ放送とレコー…

2018年9月の新日本フィル・コンサート(R.シュトラウス・プログラム)

<2018年9月の書き込み(備忘)> 上岡さんのオールR.シュトラウス・ブロ。シーズン冒頭にこのプログラムというのが、ミュンヘン・フィルやバンベルク交響楽団のようで、嬉しくなる。 R.シュトラウスは、政治学者の丸山真男氏の音楽評論の影響なのか、…

バーンスタイン生誕100周年  (ららら・クラシック)

NHKららら・クラシックでバーンスタインを特集した放送の録画を観た。30分の枠番組で生誕100周年というと、どうしても礼賛一辺倒になってしまうのは仕方がないとして、幾つか珠玉のエピソードもあった。 一つはN響の音楽監督のパーヴォ・ヤルヴィの語ったロ…

ギュンター・ヴァント N響

N響ザ・レジェンドでやっていた1979年のヴァントのN響公演。以前から聴いたことのあるブルックナーに加えて、ベートーヴェンのレオノーレ3番をやっていたが、これが凄かった。 冒頭の一音から凄く衝撃的な音がするが、放送で紹介されたエピソードによれば、…

前橋汀子とココシュカ

最近バッハの2回目の無伴奏全曲アルバムを出したバイオリニストの前橋さんの日経私の履歴書から。稔り多くも過酷だったソ連留学時代の話も興味深かったが、今日は、なんと晩年のココシュカが登場。亡くなる前のアルマ-マーラーから「今でもあなたを愛してい…

インバル・フランクフルト放送響  ブルックナー第九番 第四楽章

ブルックナーの第九交響曲の未完の四楽章を学者が補筆した録音を聴く。80年代にインバルがフランクフルト放送のオーケストラと録音したもの。 確かに構成、話声、オーケストレーションともブルックナーのスタイルでよく出来ているとは思うが、作曲者が完成し…

マゼール・N響のベートーヴェン

最近、讀賣交響楽団との「復活」交響曲のライブ録音が話題のマゼール。 NHK音楽祭2012年でのマゼール・N響の演奏会(FM放送のエアチェック)から、レオノーレ第三番を聴いているが、これが驚きで、何というか、朝比奈隆・大阪フィルの演奏みたいだなと思う。…

カルロス・パイタ ベートーヴェン 第五番

カルロス・パイタ指揮のベートーヴェン第五、重心が低い響きで、本当に素晴らしいと思う。べーレンライター版とか使って、小賢しくちゃかちゃかやっている最近の演奏より、自分はよほどこっちの方が好きだ。 一般的にはほとんど無名と思うが、このアルゼンチ…

インバル・都響  マーラー第七番

噂には聞いていたが、都響(東京都交響楽団)のマーラー、本当に上手い。 過去30年くらい、ベルティーニ、インバルといった手練れと何回もマーラーチクルスを回しているせいと思うが、マイナーな7番で、ここまでスコアを顕微鏡で覗き込んだような克明な演奏と…

ビシュコフ・ベルリンフィルのショスタコーヴィチ第5番 メルカリでゲット

「男はメルカリ、女はヤフオクが好き」という見出しを最近見たような気がするが、確かに、使用体験からいうと、ヤフオクのオークションは最初の値段は安くても、最終的な競り値はまさにfair valueというか、ぼったくりもお買い得もあまりないところに落ち着…

ケルン放送響とドレスデン国立管のR.シュトラウス

今日の午後は、R.シュトラウスの「英雄の生涯」(ビシュコフ・ケルン放送響)と「ツァラトゥストラ」(シノーポリ・ドレスデン国立管弦楽団)を聴いていた。 いずれも1998年の来日公演の記録だが、こうした続けて聴くと、ドレスデン国立管が圧倒的に上手。管…

上岡敏之・新日本フィル  ブルックナー第九

(昨年のコンサートの備忘録です) この週末の新日フィルのブルックナー演奏会。第九交響曲の第三楽章のアダージョ、ブルックナーの完成した最後の音楽ですが、素晴らしかった! 冒頭の弦の跳躍する主題の微かなポルタメント、そして第二主題の出てくる直前…

カラヤンのベートーヴェン

カラヤンのベートーヴェン、このYoutube予告で久しぶりに聴いたが、鋼鉄の巨大戦車が迫ってくるみたいな本当に凄い音。分厚い中低音に支えられたピラミッド型のトーンバランス、黒檀のように磨き抜かれた音の質、それに弦楽器から松脂の粉が飛んできそうな迫…

テンシュテット NYPO マーラー・ライブ

今は亡き東独出身の名指揮者テンシュテットのマーラー。「壮絶ライブ」というと陳腐だが、これは本当に凄い。お酒の濃度でいうと間違いなく40度以上。ひょっとするとライターを近づけると引火するような奴に近いかもしれない。 テンシュテットはきっと大酒呑…

リヒタ―のバッハ・マタイ受難曲

大学の教養課程のドイツ語の授業で、バッハのマタイの解説本を読むというシュールな授業があった。レクラム文庫の本。中身はいかにもドイツの学者らしく、このフルートの下降音型はイエスの涙が溢れ落ちる様を描写したものであるとか、そういう記述が延々と…