バーンスタイン生誕100年ウィーク

<2018年8月のバーンスタインの生誕100年ウイークの書き込み(備忘)。>

この人は、宇宙の天体がその最期に大爆発を起こして巨大な光を放つが如く、晩年の80年代後半に奇跡のような名演を繰り広げていた。

何度も書いたが、はるか極東でラジオ放送とレコードでそれを追いかけていた自分にとって、彼は、憧れの矢、絶対的なイコンのような存在だった。

安易に流れがちな10代の日々に、眩しいばかりに輝きを放つ彼の演奏に触れることで、世の中にはこんなに高く尊いものが存在するということを教えられ、毎日を惰性に流されるのではなく、自分なりの持ち場で、少しでも懸命に生きるようにと導かれていたとすら思う。

バーンスタインの演奏の魅力の一つは、常識に囚われず、時として異端に近いユニークな表現をも恐れないところにあると思う。この新世界交響曲がその一例。第二楽章のラルゴが極限まで遅い。家路の音楽と言うより、黄泉の国を覗き込むというか、そう、ほとんど、あのマーラーの9番の終楽章のような音楽になっている。

万人向けとも、ドボルザークの本質を突いているとも全く思わないが、自分の所信を少しも曲げない姿勢が一番の魅力のように思う。

https://www.youtube.com/watch?v=pHB56_-JOoY&fbclid=IwAR1Zxi3tlgE82jYxPBFlDOObC8IOxP3oEzbzEbhBU7g-IqoxnB7Q7envx9I&app=desktop