(23年1月27日に書いた記事を収録します)。
ニューヨークタイムズの藤田真央のカーネギーホールでの演奏会評。
サブタイトルでは「独自の魅力はある演奏だが、根本的なところでは作曲家達とconnect できていない」と辛辣なことを書いていますが、何しろタイムズはあのバーンスタインも散々悩まされたメディア。相変わらず毒舌ぶりを発揮しているということか。
他方で本文を読むと、既発売のモーツァルトの全集CDの録音と比べてどうだったとか、かなり研究をして書いていて、この若いピアニストへの関心の高さが感じられます。
また、最初の段落:
足を少し引きずり気味に、偉ぶらず、やや猫背で登場するが、一度、指が鍵盤に触れるや、空気のように軽い金線細工のような響きが二時間のコンサートの間、途切れることなく紡ぎ出される、
というのは見事な描写。
辛辣ですが、全体に、若いとか、東洋人だということでの手加減なしに正面から批評の対象として取り上げているということかも知れません。