名盤

ワルター・ウィーンフィル 1948-1956 ライブ

日経の日曜版「名作コンシェルジェ」に、1950年代のウィーンフィルとの名盤が登場(モーツァルトの40番とレクイエム、マーラーの復活) 特にモーツァルトの40番は、冒頭の有名なメロディ(ミレレー、ミレレー、ミレレーシー)の最後の「レーシー」の部分で、…

アバド・ベルリンフィルのベートーヴェン交響曲第三番(1995年ライブ)

アバドの新旧のベートーヴェン交響曲全集(80年代半ばのウィーンフィルとのものと2000年前後のベルリンフィルとのもの)は、同じ指揮者のものとは思えないほど違いがあるが、いつ頃、演奏スタイルの変化が起きたのかに興味があった。 この1995年のエロイカは…

ティーレマン・ウィーンフィル ベートーヴェン 第5交響曲

もともとモーツァルトやベートーヴェンのピリオド演奏が嫌いで、モダン楽器のオーケストラでも、編成を小さくしてやっている昨今の風潮も気に入らないなか、ティーレマンはウィーンフィルでのベートーヴェンでも大編成でやっているので、一度聴いてみようと…

フェリアー・ワルター マーラー・大地の歌(1948年ライブ)

久しぶりにマーラーの「大地の歌」の終楽章「告別」を聴いた。フェリアーとヴァルターのコンビだが、48年のNYでのライブ。細かく聴き比べたわけではないが、名盤として有名なDECCAとのスタジオ録音と比べて、フェリアーの声がより清冽で、まっすぐ飛んでくる…

バーンスタイン ベルリン壁崩壊後のベートーヴェン第九

80年代といえば、最後の89年のベルリンの壁崩壊が忘れられないが、その年の年末には、第9の演奏史に残る東西のオーケストラ・合唱団を集めた「ベルリン祝祭演奏会」が開かれた。その名の通り、東西ドイツ、ソ連(レニングラードフィル)、米国(ニューヨ…

内田光子 モーツァルト ピアノ協奏曲第27番

久しぶりに内田光子とテイトのコンビでモーツァルトの27番のピアノ協奏曲を聴いた。 以前、ユング学者の河合隼雄氏が「モーツァルトは、彼自身の音楽の犠牲者のような人です」という趣旨のことを言っていたが、すべての苦難を乗り越えて悟りの境地に入ったよ…

ジョナサン・ノット・東京交響楽団 マーラー 第七交響曲

ちまたで評判のノットと東京交響楽団のマーラー。今回は第七番。 前半がベルク。オペラ「ヴォツェック」の一番緊迫した場面のような音楽が20分近く続くといった感じの非常に表出力の強い音楽。感心するとともに少しくたびれる。 メインのマーラー、とりわけ…

小澤征爾・ベルリンフィル(ライブ)  ベートーヴェン・交響曲第七番

若い頃の小澤征爾がベルリンフィルとやったベートーヴェン7番(ライブ)。フィナーレ(29:30~)が途中から驚くほど速くなる(34:17あたり以降)。最後は、クライバーやフルトヴェングラーのライブよりも速く、凄い。本人はこの演奏の出来に不満だったというが…

シノーポリ・ウィーンフィル シューマン 交響曲第二番

近所の公立図書館の閉架書庫からアナログLPを発掘。 八十年代半ばに異常なくらい話題になったシノーポリの録音。精神科医の資格を持つ指揮者という話題をフルに活用したいというマーケティングでしょうか。指揮者本人による作曲家の精神分析の論文の訳まで…

映画「パルジファル」(1982年)

1982年製作の映画版「パルジファル」を見た。本作で特筆すべきは、事前に録音された音楽にあわせて、歌手とは異なる俳優が演技をしていること。近年は、大昔のワーグナー歌手のように声は立派だが、容貌はちょっとという人は減っているが、こういう映画だと…

小澤征爾・ウィーンフィルのシューベルト「未完成」

小澤征爾・ウィーンフィルのシューベルト「未完成」の演奏会の録画を観た。例の、指揮台でメータと一緒にワルツを振っていた演奏会のもの。 コントラバスも7本いる大きな編成の豊かな響きで、思いっきりゆっくりした演奏。 カール・ベームが最晩年に日本に…

マタチッチ・N響 ブルックナー交響曲第8番

マタチッチとN響のブルックナー8番の公演の録音(1984年)を聴いている。日本でのクラシック音楽演奏史上でも屈指の名演として名高い。細かいところはいろいろと荒っぽいが、何か、音楽の一番の本質のようなところを太い腕でグッとつかんで離さず、一気呵…

上岡敏之・新日本フィル・アンヌ=ケフェレック モーツァルト ピアノ協奏曲第27番

(2018年2月の書き込み(備忘)> 今週火曜日のNHKFMで、一昨年9月の上岡敏之さんの新日フィル音楽監督就任披露演奏会の録音が放送された。プログラムにはモーツァルトの27番の変ロ長調のピアノ協奏曲K595があった。 昔から、この曲の持つ…

ポゴレリッチ 奈良での録画

<2018年3月の書き込み(備忘)> ポゴレリッチと言えば、いつも反抗期のティーネージャーのような不機嫌きわまる顔でCDジャケットに映っている青年というイメージがあったが、すっかり貫録のある中年になってしまった。こちらも歳を取ったので人のこと…

カルロス・パイタ ベートーヴェン 第五番

カルロス・パイタ指揮のベートーヴェン第五、重心が低い響きで、本当に素晴らしいと思う。べーレンライター版とか使って、小賢しくちゃかちゃかやっている最近の演奏より、自分はよほどこっちの方が好きだ。 一般的にはほとんど無名と思うが、このアルゼンチ…

インバル・都響  マーラー第七番

噂には聞いていたが、都響(東京都交響楽団)のマーラー、本当に上手い。 過去30年くらい、ベルティーニ、インバルといった手練れと何回もマーラーチクルスを回しているせいと思うが、マイナーな7番で、ここまでスコアを顕微鏡で覗き込んだような克明な演奏と…

ビシュコフ・ベルリンフィルのショスタコーヴィチ第5番 メルカリでゲット

「男はメルカリ、女はヤフオクが好き」という見出しを最近見たような気がするが、確かに、使用体験からいうと、ヤフオクのオークションは最初の値段は安くても、最終的な競り値はまさにfair valueというか、ぼったくりもお買い得もあまりないところに落ち着…

フルトヴェングラー・ローマ放送響 「ジークフリート」「神々の黄昏」(1953年)

今日は、フルトヴェングラー・ローマ放送響の「指輪」の続き。「ジークフリート」の3幕の終わりと「神々の黄昏」の序幕と一幕の途中までを聴いた。 「ジークフリート」の第三幕では、ブリュンヒルデは、アンドロギュノス的な女神であり、抱擁に戸惑う乙女で…

上岡敏之 新日本フィルとのブルックナー第七番が楽しみ

昨年、上岡敏之さんが新日本フィルとの定期でブルックナーの第9番を取り上げて、ライブのCDも出て、賛否いろいろ評判となったが、今シーズンにはいよいよブルックナーの第7番を取り上げるらしい。演奏会が来週に迫ってきた。 上岡敏之さんのブルックナー…