ベートーヴェン 弦楽四重奏第14番(弦楽合奏版) バーンスタイン・ウィーンフィル

 

バッハから本当の現代曲まで何でも聴くが、一番愛着を感じるのがブラームスブルックナーワーグナーあたりからマーラー、R.シュトラウスを経て、シェーンベルクの初期(浄夜弦楽四重奏第二番)あたりまでの音楽。

 

管や打楽器の刺激的な響き抜きの弦楽合奏で、「浄夜」と同程度の調性感で神経を休めさせてくれるものがないか、youtubeSpotifyで、シュレーカー、フランツシュミット、ツェムリンスキー、コーンゴルトの室内楽を漁るが、あまり気分にヒットするものは見つからない。

 

むしろ、その過程で、偶然、バーンスタインがやっているベートーヴェンの作品131の弦楽四重奏弦楽合奏版に行きあたったが、むしろ、これが実に素晴らしかった。

ベートーヴェンは手紙等を読んでいるとカネにもうるさいし、あの有名な「永遠の恋人」の手紙も今風に言えばストーカーの匂いも感じる。とにかく、始終まわりの人達とトラブルを起こしていて、「楽聖」といって単純に崇拝できるような人物とも思えないが、作品を聴く限り、崇高な精神しか感じさせない。

終楽章は、晩年に至るも続く、運命との闘い。天使最後の長調の和音は、「下がれ、悪魔よ。神は我にあり」と宣言しているように聴こえる。

 

https://www.youtube.com/watch?v=wYGTurA-5bA