「影のない女」(第一幕)

f:id:strassberger:20190915121654j:plain

f:id:strassberger:20190915121639j:plain


昨日来、仕事関係の文献を読みつつ、集中力が続かなくなったところで、R.シュトラウスのオペラ「影のない女」の録画を観ている。
 
第一幕の終わりまで来たが、これはなかなか重い作品というか、女性の人権(産む権利、産まない権利)と産まれる側の権利という生殖倫理にもつながるようなテーマを、もちろん正面から論じるような野暮なことはせず、あくまで暗喩として、「魔笛」や「トゥーランドット」のようなオリエンタルな「おとぎ話」風の意匠の中で扱うという離れ業を試みているのかなと思う。
 
この口の中にザラッとした不快なものが残るような第一幕の後、どう落とし前をつけるのか。
 
王妃の役のシュヴァーネヴィルムスというソプラノ。頬骨が高く、長身の、いかにも北方系ドイツ人といった風貌で際立つが、プロフィールを見ると「薔薇の騎士」の元帥夫人が得意とのこと。それはそうだろうなと思う。