トランプ大統領とオックス男爵(薔薇の騎士)

トランプ大統領の一貫して野卑で女性蔑視的な態度については、ここ数年ずっと既視感があったのだが、「薔薇の騎士」のオックス男爵だった!
ウィーン文化の髄とも言えるホーフマンスタールの台本によるだけに、あの態度というのは、残念ながら、当時のウィーンでも、ある種の典型として存在したと言うことが分かる。
特にこのクライバーとウィーン歌劇場の有名なプロダクションでクルト・モルの演じるオックス男爵は本当にそっくり。
最後に身から出た錆で数々の請求書に追われつつも、しぶとく居残り、この期に及んでゾフィーとの結婚を主張してなかなか退場しない様子は、現下の状況をどうしても思い出させる。
大きな違いは、楽劇と違って、元帥夫人のように威厳をもって退場を勧告できる人がいない点だけか。
 

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