アルバン・ベルク 歌曲全集

最近Brilliant Classicsから出た、アルバン・ベルクの歌曲全集がよい。

 

特に、長らくあまり知られていなかった初期の歌曲(Jugendlieder)が初めて全曲録音されたということだが、これが1901~1908年の間で74曲あり、いずれも1~2分の大変短い曲ばかりであるものの、非常に美しい。ワーグナーの後期あるいはもう少し進んでフーゴー・ヴォルフくらいの調性感からはじまり、次第によく知られているベルクの作品(たとえばこのアルバムにも入っているSieben Frühe Liederなど) のレベル感に近づいていくのも興味深い。

 

詩もきわめて多様な詩人の作から引用しているが、早熟のベルク(作曲当時16~23歳)の選択を味わうのも楽しい。

 

このアルバムは、四人の歌手と語り手、それからフィリッポ・ファリネリという伴奏ピアニストの作品だが、ファリネリがブックレットの記事も書いており、おそらく全体の監督的立場。ベルクの作品についてかなりの思い入れを有している様子。四人の歌手もいずれも若手だが、瑞々しい声で、聴いていて心地よい。

 

https://www.brilliantclassics.com/articles/b/berg-complete-songs/

 

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