バレンボイムがフランフルターアルゲマイネの文芸欄にベートーヴェンについて投稿していると思ったら、要は、自身が今度やるベートーヴェンのソナタ全曲演奏会のプロモーションのような文章。
それも、冒頭はあえてベートーヴェンではなく、バイロイトで初めてリングを振った際、終演後に宿舎を隣に取っていたブレーズとリング演奏のあり方を語り合ったという思い出から始めているが、これも、おそらくはブレーズの名を冠したコンサート会場を意識したもの。向こうの文芸評論家ならいかにもやりそうなことだが、どちらかというと現場の人っぽいバレンボイムがこんな凝った文章を書くのかと意外。ゴーストライトかも知れないが。
昔はカラヤンが商業主義的だとよく批判されていたが、彼もここまでマメなことはしなかったと思う。
これで演奏がイマイチだったら仕方がないが、バレンボイムのベートーヴェンはいいと思う。特にハンマークラヴィーアの録音はバレンボイムのがピカイチ。
それにしても、80歳近くなって、この32曲全曲に再び挑むのはすごい。