2019-06-02から1日間の記事一覧

ヴォツェック  2017.12.10

久しぶりにヴォツェックを聴いた。20世紀の産んだ、壮絶で陰惨なオペラ。メサイアの至福にのみ浸っていられない、神も調性も無くなった後の時代に生きることが幸か不幸か分からないが、この音楽の持つ凄惨な美しさは全く独自の魔力を持っていて、一度味わう…

N響レジェンド マタチッチ 2017.12.10

昨晩、ユーゴの巨人マタチッチを迎えたメサイアの古い録音の前半をやっていた。過度に分厚すぎることもないが、充実したバスの響きに支えられた、至福のヘンデル。50年以上前のライブだが、録音の質を別として、メサイアの演奏としては個人的にはこれ以上望…

高い城の男 ハヤカワ文庫  2017.12.3

「第二次大戦でもしも枢軸側が勝利していたら」という設定のSF。かつて随分話題になったものらしいので期待したが、微妙な読後感。この本が出た1963年というと、そろそろ日・西独とも米国にとって小うるさい存在にはなりつつあっただろうが、冷戦もまだ厳…

小林秀雄 近代絵画

四半期世紀ぶりに再読したが、ゴッホとゴーガンの章は絶品。きわめて主観的な批評だが、作品の受容は受け手側の全人格的な感受性に依存する以上、客観的な批評などあり得ないことを教えてくれているとも言える。

フルトヴェングラー リング  2017.11.12

昨日行ったコンサートのアンコールで、期せずして「ジークフリートの葬送行進曲」を聴いたことで、ワーグナー欲?が久々にむらむらと刺激されて、家族が出かけている昼の間、「ニーベルングの指輪」から拾い聴きをした。「ジークフリート」第3幕の大詰めと…