チェリビダッケ・ミュンヘンフィル ブルックナー 第九交響曲(リハーサル)

チェリビダッケがまだ元気だった91年のブルックナーの9番のリハーサルの貴重な映像。当時すでにドイツでトップクラスの水準になっていたミュンヘン・フィルを相手に、子供に噛んで含んで教えるように、細かな楽器のバランスやら、リズムやらを、いちいち音楽を止めて指摘していく執拗さにはほとんど呆れるほかない。その実力にもかかわらず、晩年にミュンヘンフィルに迎えられるまで、どこのオーケストラにもなかなか長期には定着しなかったのも、自身が語るように「10億回のNOと1回だけのYes」からなる、このパラノイア的なリハーサルを見ればうなずける。5分たっても10小節くらいしか進まないなか、延々と続く指摘の前後でどこかがどう良くなったのか、必ずしも分からないが、延々と続く「千本ノック」に耐え続けるミュンヘン・フィルの音楽家たちには脱帽。

https://www.youtube.com/watch?v=uxtpetrOjqM&fbclid=IwAR2tAh7mKldQ9CpUDJfyA1YTEuRJQR8uor8uza0_n1u4tevpBns4-c7Wp8M