内田光子の指揮者論

ウェッブで見つけた内田光子さんの指揮者論(雑誌インタビュー抜粋)が面白い。(なぜかリンクがブロックされてしまうが、「内田光子 指揮者論」でgoogleればすぐに見つかる)。
ワルターへの評価等、個人的には全く意見が異なる部分も少なくないが、たとえば、以下のような言葉の数々は圧巻。
・カザルスは、宇宙の真ん中で鳴らしちゃうわけね。丸くまあるく広がって、宇宙の全体にウワーッと行く。...
フルトヴェングラーになると、向こうから聴こえてくるんですよ。恐ろしく遠くから・・・・。ここで鳴らしたのが向こうに行っているんじゃなくて、向こうから鳴ってくる。
マーラーでも、ワルターは道草しちゃうんですよ。そこ、ここで小さな花がきれいだと、彼は立ち止まって見ちゃうんです。
これこそ、心が浄い人だったんです、フェリアーという人は。死に近づいたマーラーの世界が、ほんとにわかっちゃった人なんです。
正直、自分にはよく分からないが、こういった感じ方をする内田さんの感性に感心することしかり。
優れた評論・批評とは、他人の作品を評して、自分を語ることに他ならないというが、単なる雑誌へのインタビューがそういうものになっているところがすごい。