2019-01-01から1年間の記事一覧

上岡敏之・新日本フィル チャイフスキ―第5交響曲

(2018年7月の書き込み(備忘)> 嵐の中、行って来ました。やはり、相当変わった、上岡流チャイコ五番でした。 開演前にコンマスさんと上岡さんのプレトークがあって、上岡さんから「どの曲も必ず技術的に難しい部分があってそこをうまくやり過ごすと…

九州大学オケ・上原彩子さん

<2018年8月の書き込み(備忘)> 今日は親父と一緒に彼の母校の九州大学のオーケストラの東京公演へ。気鋭の指揮者鈴木優人氏に、チャイコフスキーのピアノ協奏曲のソロが上原彩子さんで、サントリーホールという学生オケとしては超豪華な舞台。 何よ…

バーンスタイン生誕100年ウィーク

<2018年8月のバーンスタインの生誕100年ウイークの書き込み(備忘)。> この人は、宇宙の天体がその最期に大爆発を起こして巨大な光を放つが如く、晩年の80年代後半に奇跡のような名演を繰り広げていた。 何度も書いたが、はるか極東でラジオ放送とレコー…

2018年9月の新日本フィル・コンサート(R.シュトラウス・プログラム)

<2018年9月の書き込み(備忘)> 上岡さんのオールR.シュトラウス・ブロ。シーズン冒頭にこのプログラムというのが、ミュンヘン・フィルやバンベルク交響楽団のようで、嬉しくなる。 R.シュトラウスは、政治学者の丸山真男氏の音楽評論の影響なのか、…

バーンスタイン生誕100周年  (ららら・クラシック)

NHKららら・クラシックでバーンスタインを特集した放送の録画を観た。30分の枠番組で生誕100周年というと、どうしても礼賛一辺倒になってしまうのは仕方がないとして、幾つか珠玉のエピソードもあった。 一つはN響の音楽監督のパーヴォ・ヤルヴィの語ったロ…

ギュンター・ヴァント N響

N響ザ・レジェンドでやっていた1979年のヴァントのN響公演。以前から聴いたことのあるブルックナーに加えて、ベートーヴェンのレオノーレ3番をやっていたが、これが凄かった。 冒頭の一音から凄く衝撃的な音がするが、放送で紹介されたエピソードによれば、…

前橋汀子とココシュカ

最近バッハの2回目の無伴奏全曲アルバムを出したバイオリニストの前橋さんの日経私の履歴書から。稔り多くも過酷だったソ連留学時代の話も興味深かったが、今日は、なんと晩年のココシュカが登場。亡くなる前のアルマ-マーラーから「今でもあなたを愛してい…

インバル・フランクフルト放送響  ブルックナー第九番 第四楽章

ブルックナーの第九交響曲の未完の四楽章を学者が補筆した録音を聴く。80年代にインバルがフランクフルト放送のオーケストラと録音したもの。 確かに構成、話声、オーケストレーションともブルックナーのスタイルでよく出来ているとは思うが、作曲者が完成し…

マゼール・N響のベートーヴェン

最近、讀賣交響楽団との「復活」交響曲のライブ録音が話題のマゼール。 NHK音楽祭2012年でのマゼール・N響の演奏会(FM放送のエアチェック)から、レオノーレ第三番を聴いているが、これが驚きで、何というか、朝比奈隆・大阪フィルの演奏みたいだなと思う。…

カルロス・パイタ ベートーヴェン 第五番

カルロス・パイタ指揮のベートーヴェン第五、重心が低い響きで、本当に素晴らしいと思う。べーレンライター版とか使って、小賢しくちゃかちゃかやっている最近の演奏より、自分はよほどこっちの方が好きだ。 一般的にはほとんど無名と思うが、このアルゼンチ…

インバル・都響  マーラー第七番

噂には聞いていたが、都響(東京都交響楽団)のマーラー、本当に上手い。 過去30年くらい、ベルティーニ、インバルといった手練れと何回もマーラーチクルスを回しているせいと思うが、マイナーな7番で、ここまでスコアを顕微鏡で覗き込んだような克明な演奏と…

ビシュコフ・ベルリンフィルのショスタコーヴィチ第5番 メルカリでゲット

「男はメルカリ、女はヤフオクが好き」という見出しを最近見たような気がするが、確かに、使用体験からいうと、ヤフオクのオークションは最初の値段は安くても、最終的な競り値はまさにfair valueというか、ぼったくりもお買い得もあまりないところに落ち着…

ケルン放送響とドレスデン国立管のR.シュトラウス

今日の午後は、R.シュトラウスの「英雄の生涯」(ビシュコフ・ケルン放送響)と「ツァラトゥストラ」(シノーポリ・ドレスデン国立管弦楽団)を聴いていた。 いずれも1998年の来日公演の記録だが、こうした続けて聴くと、ドレスデン国立管が圧倒的に上手。管…

上岡敏之・新日本フィル  ブルックナー第九

(昨年のコンサートの備忘録です) この週末の新日フィルのブルックナー演奏会。第九交響曲の第三楽章のアダージョ、ブルックナーの完成した最後の音楽ですが、素晴らしかった! 冒頭の弦の跳躍する主題の微かなポルタメント、そして第二主題の出てくる直前…

カラヤンのベートーヴェン

カラヤンのベートーヴェン、このYoutube予告で久しぶりに聴いたが、鋼鉄の巨大戦車が迫ってくるみたいな本当に凄い音。分厚い中低音に支えられたピラミッド型のトーンバランス、黒檀のように磨き抜かれた音の質、それに弦楽器から松脂の粉が飛んできそうな迫…

テンシュテット NYPO マーラー・ライブ

今は亡き東独出身の名指揮者テンシュテットのマーラー。「壮絶ライブ」というと陳腐だが、これは本当に凄い。お酒の濃度でいうと間違いなく40度以上。ひょっとするとライターを近づけると引火するような奴に近いかもしれない。 テンシュテットはきっと大酒呑…

リヒタ―のバッハ・マタイ受難曲

大学の教養課程のドイツ語の授業で、バッハのマタイの解説本を読むというシュールな授業があった。レクラム文庫の本。中身はいかにもドイツの学者らしく、このフルートの下降音型はイエスの涙が溢れ落ちる様を描写したものであるとか、そういう記述が延々と…

フルトヴェングラー三昧

「フルトヴェングラー 三昧」という書名がいいと思う。仕事も遊びも「三昧」というくらい夢中にならないと面白くない。 http://blog-ocha-classic.diskunion.net/Entry/2906/?fbclid=IwAR1vutb8rYWXunsgMwYvLiWpMYddpiymHn0SGkx1C86fz2iRxXDPSsADOKQ

ムラヴィンスキー・レニングラードフィル

最近評判のblue-ray audioの実力を試してみたくて、中古CD屋でムラヴィンスキー・レニングラードフィルのチャイコフスキー第5番を入手。 さすがに高音から低音まで抜けが良くてすっきりしているが、いかんせん60年近く前のライブ録音なので、もとの録音自…

Naopingさんのブログ: フルトヴェングラー:スカラ座のワルキューレ

しばらく前にこの録音を聴いていましたが、"弦が泣き狂う"とは、全くうまいことを言うもんだと。 この方のブログ、文章もうまいし、内容も素晴らしいと思う。 ネット時代の恩恵で、いろいろな人の感想を読むのも楽しいもの。 http://naoping.cocolog-nifty.c…

マイスキーとバーンスタイン

賞賛ばかりのバーンスタイン100周年の記事の中で、珍しく本音を語っているところにマイスキーの誠実さを感じる。 複数の人間が共同作業をするときに避けられない権力の問題。 ベートーベンのコンチェルトを共演していたジメルマンあたりも同じような感想を持…

マリナーのモーツァルト

映画「アマデウス」の中で流れるモーツァルトの音楽(いわゆるサントラ)を一手に担っていたマリナーは、ベームやカラヤンみたいな大巨匠ではなかったかもしれないけど、本当に素晴らしいMozartianだったと思う。 この40番など本当に絶品。特に木管が普通…

ファーウェイのAIが完成させた未完成交響曲

ファーウェイのAIが完成させた未完成交響曲。 具体的にどういう手法でやったのか分からないが、何となく、機械学習に与えたサンプルがシューベルト以降の音楽、ワーグナーの初期とかベルリオーズあたりの音楽、さらに言えばハリウッドの映画音楽みたいなもの…

東京の美術展(クリムト)

今年は東京でクリムトに関連した大規模な展覧会が二つも開催された。こんなことは、ロンドンやニューヨークでもなかなかないのではないかと思う。 正直、ムスクの香りのように臆面もないリビドー剥き出しのクリムトが体質的に合う人が、日本人の間でそんなに…

カール・ベームとベルリンフィル

偶然発見した、見ず知らずの方が20年近く前に書かれたブログの記事に驚愕。 他の記事はまだ一切未読だが、カール・ベームとベルリンフィルのモーツァルトの交響曲の録音について、自分自身、この36年間ずっと感じてきたことが、恐ろしく平易で、過不足のな…

今年6月2日の三舩優子さんのコンサート

(今年6月2日の演奏会記録) 三舩優子さんの三十周年記念コンサートに行ってきました。テーマは巡礼。リストの巡礼の年の第一年スイス、第二年イタリアの全曲という超豪華なプログラム。 もちろんこの作曲家ならではの超絶技巧が怒涛の連続ですが、全部聴き…

「影のない女」(第二幕、第三幕)

先週末に引き続いで、「影のない女」の続き。 結局、ホ―フマンスタールのあらすじ・台本は謎が多すぎて、一度見ただけではよく分からないというのが結論。時間をかけて何度も観ると、見えてくるものもあるのかもしれないが。 最後は、一応ハッピーエンドで、…

サバリッシュ・N響のシューマン

NHK-FMで土曜日夜やっているN響ザ・レジェンドは今年の7月頃、サヴァリッシュのシューマン・チクルスをやっていた。録音を聴き直している。 もちろんサヴァリッシュ・N響もよいが、ソリストが更に素晴らしい。ピアノ協奏曲のブロンフマン、チェロ協…

上岡敏之・新日本フィル ブルックナー第九

昨年秋に行われた上岡敏之・新日フィルのブルックナーの第九交響曲の演奏会のライブCDが出ている。 二度行われた演奏会のうち、横浜みなとみらいホールの方には出かけたが、素晴らしく感動的な第三楽章と、どこかピンと来ない第一楽章とで、少し微妙な印象だ…

ベームの耳

R.シュトラウスのオーケストレーションは各パートとも異常に難しい上に、相互に複雑・精緻にinter-connectedになっている。 プロの耳が凄いと思うのは、こういう音楽の斉奏を聴いて、どのパートがおかしいか、パッと指摘できること。 このビデオでは、カール…